福岡県唯一のドーム球場の屋根はオープンさせることもできます。
この球場は福岡ソフトバンクホークスの本拠地として毎年何十試合も公式戦が 主催されており、それ以外の試合も行われています。 ですがそうしたことよりも注目すべきは福岡ドームの天井、屋根です。 ドーム球場といえば上部までスッポリと覆われている姿を想像しますが、この 球場の天井は開閉式となっており、その気になればオープンして試合を行うこと だって可能となっているのです。 全開で普通の球場のように、とはいかず60%位が開くだけですが、日光も 差し込みますし雨だって飛び込んでくるには充分なオープン具合です。 どんな仕組みでオープンさせるのか、面白そうですし好奇心旺盛なちびっ子で なくても興味を惹かれますよね。 福岡ドームの天井は3枚の巨大なパネルで出来ており、そのうちの2枚をグルリ とスライドさせることで開閉させるのです。 このパネルは厚さ4メートルで、屋根全体で1万トン以上の重量があります。 それをスライドさせるのでそう簡単に開閉させることはできず、なんと1回に 100万円も費用がかかるという噂も聞かれます。 ですので通常は屋根を閉じた状態で運営され、特別な時にしかオープンさせない 決まりになっているっぽいのです。 お金の問題以外にも野球場ですので、フルオープンでなくても騒音が外に洩れると 近所の住民に迷惑がかかりますし、パワフルなバッターの打球が場外に飛び出す 危険もあるので、安全面を考えてもそうなるのは必然だったのでしょう。 当初はお天気の良い日にはオープンで、雨降りならクローズでの運営も想定されて いたようですが、なかなかうまくいかないものですね。 また屋根を開くことができると言っても開ける場所は決まっており、絶対に 動かすことができない場所もあるので、季節によっては光の加減で選手は苦労 することがあったようです。 今ではどうか知りませんが、当時は日本シリーズのシーズンが最も盛り上がるので その頃に最高の条件になるよう天井も設計されたのですが、言い換えればそれ以外 の季節だと日光があまり良くない角度で球場内に差し込むかもしれない、その危険性 をはらんでいるということです。 天井が一切ない状態にできるのならきっとこんな問題は起こらなかったでしょうが、 オープン時でも約4割は天井が残るため影が出来るのは避けられないのです。 グラウンドの位置によってボールが見えやすかったり視認しづらくなり、プレー するのが困難だと選手会からのクレームもあったそうです。 そんなわけで普段は天井を閉じて照明の光の下で試合を行う、というスタイルに 落ち着き、年に数試合だけ特別にオープンされるだけとなったのです。 野球以外のイベント時でも騒音問題があるのでクローズが基本、特にコンサート なんかはなかなかオープンでの公演は認められません。 ドーム内の空調を考えても閉じている状態の方が管理もしやすいですし、観客が 暑くも寒くもない室温を保つためにも閉じっぱなしのほうが便利そうです。 オープンして行いたいイベントがあったとしても、当日途中で「雨が降ってきた から急いで閉じよう、100万円かかるけど払ってね」というのも困りますし、 開閉自由とするのもなかなか大変なのでしょう。 だからと言って「絶対にとんなイベントでも屋根は開けないよ、お金かかるし」 では開閉式の天井を備えるドーム球場としてはもったいない限りですし、たまに オープンでの企画もある今くらいがちょうどいいのかもしれません。 観客としては「今日は空が見える状態で試合が行われるんだって!」という日が 年に何回かあればそれだけでちょっと嬉しいですし、その日はちょっと得した気分 になれるでしょう。 知らなければ「あれ、お月様が見えるけどここってドーム球場だよね??」 とビックリしますがそれもまた面白い体験になります。